わたしのおすすめ本 64

わたしのおすすめ本 by 福﨑英子


私も看護学校で教材として使っているビデオなどを今回紹介したい。「カッコーの巣の上で」は、学生たちには少々難しいらしく一度みたくらいだとよく内容がわからない等の感想が返ってきますが、病院関係の方々がこれをみるとおそらく患者関係を深く考えさせられる作品だと思います。また、「アイ アム サム」は学生たちにはわかりやすく“障害”を通して様々なことを教えてくれる作品です。
「カッコーの巣の上で」
刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入ったマクマーフィは、そこで行われている管理体制に反発を感じる。彼は絶対権力を誇る婦長ラチェッドと対立しながら、入院患者たちの中に生きる気力を与えていくが……。60年代の精神病院を舞台に、体制の中で抗う男の姿を通して人間の尊厳と社会の不条理を問うK・キージーのベストセラーを、チェコから亡命してきたM・フォアマンが映画化した人間ドラマ。
「アイ アム サム」
知的障害のために7歳の知能しか持たない父親サムは、スターバックスで働きながら一人で愛娘ルーシーを育てていた。母親はルーシーを生むとすぐに姿を消してしまったが、二人は理解ある人々に囲まれ幸せに暮らしている。しかし、ルーシーが7歳になる頃にはその知能は父親を超えようとしていた。そんなある日、サムは家庭訪問に来たソーシャルワーカーによって養育能力なしと判断され、ルーシーを奪われてしまう。どうしてもルーシーを取り戻したいサムは、敏腕で知られる女性弁護士リタのもとを訪ねるが、サムにリタを雇うお金などあるわけもなくあっさり断られてしまう……。