わたしのおすすめ本 61

わたしのおすすめ本 by 中野則昭


玉井正明・玉井康之「少年の凶悪犯罪・問題行動はなぜ起きるのか―事件から学ぶ学校・家庭・地域の役割とネットワークづくり」 ぎょうせい 2002年 2095円


人々の心の潤い、ゆとりが失われている現代社会を反映して、さまざまな少年の凶悪犯罪や問題行動が次々に起きている。
本書は、三部から構成され、次のような特徴がある。
1 衝撃の少年の凶悪事件から学ぶもの
過去の少年凶悪犯罪の各事例の原因と背景を分析し、一般的な子供たちでもその背後に潜む感情やストレスによって起こり得る可能性が十分あること。
2 少年犯罪の社会的背景と前兆的行動
個々の家庭的環境・本人の問題性のみを追求するのではなく、そのような家庭や少年が生み出された社会的背景を考えることの大切さが述べられている。しかも深刻な事件の前には、必ず何らかのサインを出している。そのサインを正確に読み取ることの大切さを事例を通して、述べている。
3 少年犯罪・問題行動の防止と自己統制力を育む学校・家庭・地域の対応方策
犯罪や問題行動を未然に防ぐためには、子供の自己統制力を育てることが、最も大切であり、学校・家庭・地域社会の日常的なネットワークの必要性が強調されている。
21世紀を担う少年を健全育成するには、大人はどうしたらよいかを考えさせられる著書である.

少年の凶悪犯罪・問題行動はなぜ起きるのか―事件から学ぶ学校・家庭・地域の役割とネットワークづくり 少年の凶悪犯罪・問題行動はなぜ起きるのか―事件から学ぶ学校・家庭・地域の役割とネットワークづくり
玉井 正明

ぎょうせい 2002-04
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