私とカウンセリング(42)by 菊池美保子

 「鹿児島カウンセリング研究会」に九月から参加させて頂き,勉強させて頂いています。私は,五十数年生きてきて,最近運がいいと思うことがたくさんあります。この会との出会いもそのひとつでしょうか。巡りめぐって清原先生との出会いを頂き,そしてこの会に参加できることに感謝しています。
 私は現在,適応指導教室で不登校の子どもたちと関わる仕事をしています。色々と悩みを抱えている多くの子どもたちや親の方々と接する中で,自分の幼少の頃からのことや母親として子育てをしてきた様々なことがよみがえってきます。カウンセリングという言葉さえ聞いたことのなかった小学校時代,中学校時代の私は幾度となくカウンセリングを必要としてきたような気がしています。学校への行き渋りをしていた低学年の頃,学級崩壊していた中にいた高学年の頃,いつも腹痛を訴えていました。
 今,思い起こせば、それから後もさまざまな悩みを抱えながらも色々な人に支えられて自分なりに解決してきたのかと思います。短大時代に人間関係で悩んだ時,自分で解決できなくて,ある先生に宛てて手紙に思いを綴ったことも思い出します。返事こそ頂けませんでしたが,今思えば自分の気持ちを文章にすることで何とか折り合いをつけてきたのでしょうか。
 その後,小学校の教員となり,様々なことを体験し,結婚・子育てと悩みは次々と押し寄せる中で幾度となくカウンセリング・マインドが登場したような気がします。
 そして,適応指導教室の指導員という仕事を頂いたのも神さまが与えてくださったのでしょうか。多岐にわたった悩みや問題に直面するようになり,解決を求めて放送大学で心理学の勉強を始めました。そういう中,娘の不登校もありました。社会人となった息子に「俺,引きこもりの淵にいるような気がする」と言われたこともありました。何とか社会人として生活できるようになった今,私自身のために神さまが、様々な体験とともに,心理学の勉強もするようにお導きくださっているような気がしています。
 様々な体験をしたことがらを,この勉強会を通して専門的な見方や考え方として学び、そして頭の中を整理しています。多くの方々との出会いも自然な流れと捉え,また専門用語に戸惑いながら,ちょっと錆びてしまった頭に刺激を与えて,今後の仕事に役だていくためにも学んでいきたいと思うことです。一人でも多くの子どもたちの笑顔と接することを願いながら・・・