「NPO法人 それいゆ」視察において (報告:福崎英子)
平成19年7月29日(日曜日)10:00~14:00の研修
午前中は、それいゆ相談センター・それいゆプリスクール・それいゆフリースクール・成人支援センターの4ヵ所を4つのグループに分かれて、見学してきました。午後からは、質疑応答を中心に会を進めて頂きました。
見学に際して私たちがまず驚いたのは、個別に応じてのプログラム作成、つまり、ひとりひとりが全てオーダーメイドプログラムで施設での日常生活をしていることでした。
私たちのグループはまずそれいゆ相談センターにいきました。そこでは、大学などでもよくみられる鏡の向こうのクライエントの様子を観察する相談システムでした。しかし、そこでの取り組みが他の取り組みと少しことなるのは、TEACCHプログラムと構造化のシステムを導入したものでした(アメリカのノースカロライナ大学のショプラー教授らによって、1960年代半ばからはじめられ、自閉症とその家族を支援するために研究・開発されたものである。1972年からノースカロライナ州の行政府より、全州絵このプログラムを展開することが認められた。自閉症の人たちは想像力を働かせることや視覚化できないものを理解することが、大変苦手である。そこでTEACCHプログラムの研究者たちは視覚的構造化、物理的構造化という手法を考えだした)。視覚化、構造化することでこどもの様子や可能性が導ける場所であることが理解できました。
次に成人支援センターを見学しました。そこは、それぞれの個室が用意され、各部屋ごとにその人に応じた構造システムが造られていました。興味深かったのはセンサールームが設置してあることでした。また、彼らは光の刺激に敏感だということで全ての蛍光灯に白い布が被せられ部屋全体が薄暗い印象を受けました。とにかく無駄なものを取り除き、よけいな執着が起こらないように壁など布で覆われていました。しかし、予算の関係なのでしょう、壁などはダンボールで手作りのものでした。スタッフの苦労が伺われました。自立支援法ができたことで、個人の負担が随分減ったそうです。
次に向かったのは、フリースクールでした。部屋の中は、やはり個別にしきられており、PCなどで遊べるようにもしてありました。ここでもプログラムは日常の行動からその子の好きな活字のスタイルにいたるまでオーダーメイドでした。驚きでした。また、賞罰の与え方も非常に現実的で全てお金でやっておられました。例えば、仕返ししなかったら2000円とか・・・なるほど・・健康なおとなでもこれすれば言うこと聞くかもとしごく納得しました。
最後にプリスクールへ向かいました。フリースクールのミニチュア版ですが、とにかく驚いたのは膨大なカードの山々・・山。構造化を徹底していることが理解できました。これは、実際多くの子どもたちにもしつけの一つの考え方として採用していくとスペクトラムにあっても良く解からない状況にある子どもたちには最適に感じました。
午後からの研修は、主に質疑を重視してくださいました。たくさんの質問もそうなかったように感じましたがそのなかで少し興味のあったことなどをあげて見たいと思います。
Q:だいたい、何歳くらいで鑑別できるのか。
A:1歳半検診でほぼわかる。
*鑑別がはっきりしない子どもに対しても「気になる所がありますねと伝えてもらうようにしている」また、3歳児検診とも照らし合わせる。
Q:それをしるためには、何処にいけばよいのか。
A:佐賀県の場合特別なスクリーニング様式にそって対応できるように保健士・保育士を育成している。
Q:スクリーニング様式を導入してからの発見率は?
A:9倍に増えた。
Q:カミングアウトするべきか?
A:するべき!ただし、保護者との同意のもとで行う。メリットは、周囲が理解し動いてくれる。デメリットもたくさんある。
Q:それいゆには特にどのような相談が多いですか。
A:もちろん、親ですがそれ以外に養護学校、小・中学校の要望が多い。
Q:行政に委託されるようになって、スムーズに行えるようになったことは?
A:学校に支援者が行って、サポートができるような体勢ができている。