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浅井利明・本間友巳編著「不登校・ひきこもりと居場所」

浅井利明・本間友巳編著 「不登校・ひきこもりと居場所」 メネルヴァ書房 2,400円+税

 

この本は、「学校へ行けない」子どもたち、「世の中の恐い」若者たち、彼らに通底するものは、在るべき“居場所”がないこと、見つからないことではないか?との思いで、その支援の在り方、居場所づくりについての新たな考察や実践の一助となるよう願って書かれたものである。

編著者の2人は、精神医学、臨床心理学を専門とする大学教授である。

内容は、「理論編」、「実践編」、「展望編」の三部からなる。

 

理論編 第1章 居場所とはなにか

第2章 不登校の現状とその理解

第3章 ひきこもりというアボリア

実践編 第4章 学校と居場所

第5章 スクールカウンセラーと不登校

第6章 居場所としての適応指導教室

第7章 民間施設での居場所づくり

第8章 心の居場所

第9章 引きこもり支援の仕組み作り

第10章 ひきこもる若者と就労支援

展望編 第11章 不登校支援と課題と展望

第12章 ひきこもり支援の課題と展望

 

不登校やひきこもりへの認識を深める内容とともに、実践事例を提示し、実際に支援に関わっている執筆者の文章も盛り込まれ、読みやすく構成されている。

本書は、不登校・ひきこもり支援の在り方について、多くの示唆を与えてくれると同時に、課題についても多角的に考えて行くことの重要性に気づかされる。

特に、居場所について、「胎児期において母体というきわめて心地よい居場所に住まっていた」「この世に生を受けたその時からその理想的な居場所から去ることを余儀なくされ、私たちは外界という脅威に晒されながら、それぞれこの存在を確かなものとするために新たな居場所を探し求めることになります」等の記述に惹かれた。また、「居場所とはなにか」の章を読んでいるうちに、居場所づくりや居場所さがしは、私たちすべての人にとって重要な課題なのかもしれないと思えてくる本でもある。

 

不登校・ひきこもりと居場所
不登校・ひきこもりと居場所 忠井 俊明 本間 友巳

ミネルヴァ書房 2006-12
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 (S.U)