わたしのおすすめ本 by 下舞久恵
楠凡之(著) 気になる子ども 気になる保護者 ―理解と援助のために― かもがわ出版 2008
「先生ほど、わが子のことを受けとめてくれた人は今までいなかった」とこちらを「理想化」する保護者、学童保育や学校の予定が急に変更になったりすると、「なんで予定を変えるのか」と抗議したり、当初のプラン通りに進めるように強く求める保護者、わが子を「一度も可愛いと思ったことが無い」と話す保護者、学校が「わが子」を特別扱いしてくれないと攻撃モードになる保護者。こういった「気になる保護者」とどのように付き合っていくのかという課題は、今、教育現場だけでなく医療、福祉の現場でも取り上げられているように思います。この2冊の本では、「気になる保護者」をモンスターペアレントとみなして対立するのではなく、どうすれば保護者とつながることができるのかに焦点が当てられています。背景にある保護者の生きづらさをとらえ、いかに理解しかかわっていくのか、子どもも含めてどのように援助していくのかについて具体的に述べられており、とても理解しやすい内容でした。子どもの援助を考えるうえでも、参考になると思います。
気になる子ども 気になる保護者―理解と援助のために | |
楠 凡之
かもがわ出版 2005-01 |
「気になる保護者」とつながる援助―「対立」から「共同」へ | |
楠 凡之
かもがわ出版 2008-05 |