門脇厚司著『社会力を育てる − 新しい「学び」の構想』

門脇厚司著『社会力を育てる − 新しい「学び」の構想』 岩波書店 2010 800円

山積みする世界と日本の難問を呈示しながら、どのような社会をつくればよいのか、我々に求められている資質は何か、教育はどうあるべきかを提起し民主的な社会・平等社会をつくるために導入した公教育のもたらす不平等と格差の矛盾を鋭く突いている。そして、教育の在り方や互恵的協同社会の実現に向けて、地域や社会で「社会力」を育てる必要性を説いている。社会力とは、他者とつながること、他者といい関係をつくることであり、社会生活を営む能力として、他者の行為や態度や表情を読み取る力、そして適切な言葉と行為を選び応答する力・・・について述べているが、カウンセリングが必要な時代と社会力の関係、読み取る力・応答する力とカンセリングの関係が垣間見られる本ではないかと思います。昨今、話題となっている「100歳以上の行方不明者問題」や「絆がなくなった社会」とも通ずるところがあるのではないかと思い推薦します。

 

社会力を育てる――新しい「学び」の構想 (岩波新書)
社会力を育てる――新しい「学び」の構想 (岩波新書) 門脇 厚司

岩波書店 2010-05-21
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