私とカウンセリング 80-2

私とカウンセリング by 江田照美

大学で心理学を学び始めたころは、言葉すらも良く理解できず、目新しさばかりに刺激されていました。卒業して、カウンセラーとしての仕事ができれば良いのにと思いつつ、経験の無さや自分への信頼感の無さから大きな不安を抱え、実際の活動にはつなげられないままに過ごしました。

お役に立てないながら聴講生のようにしてKCSの名簿に名を連ね、大学の集中講義、様々な勉強会への参加、心理関連ある無しの体験を重ねつつ、途中のブランクはあるものの既に7年の経過です。中でも自らのクライアント体験は、一番の苦手とした居心地の悪さである「違和感や不安感」を己の人生への何らかのシグナルであると教えてくれ始めました。ネガティブなこれらの感情は、感じ始めた途端逃げ出したくなります。が、その「居心地の悪さだけ」を少し横に置いて、その中に浸ることを頑張ってみます。そして、その状況は「何者かによって与えられた折角の機会である」と思い委ねることで見えてくるものを待ちました。その場に居合わせた方があれば幸いです。その存在にストレートにすがってみるのです。不思議なことですが、その時の雰囲気、その方のさりげない言葉にホッとできたらこっちのものです。後は、待つことでそれらが意味を持って聞こえてくるようになります。その流れに乗るだけで物事が動き始めたことにも気付き始めます。

今も学ぶ程に、知らないことが沢山あることを知り焦るだけの毎日ですが、同時に、こんな自分だけど生きてて良いかも、と思えるようにもなりました。私にとって心理学とは、カウンセリングとは、自分を含めた人間そのものを知るための手掛かりのようです。

いつも、お手伝い頂いてありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。