わたしのおすすめ本(47)by 青山高志

馬場禮子「精神分析的心理療法の実践―クライエントに出会う前に」岩崎学術出版社、1999年、¥3,360

「ロジャースの方法(クライエントの立場に立って理解し受容する心理療法)で本当にできたら、それは一番理想的だと思います。けれども、そんなに人間は自分の心や理解力だけを使って、自己一致と共感だけで、とんでもなく自分と正反対のような人とか、とても理解しがたいようなことを語る人たちを分かることはできないのです。(中略)それはやはり治療者という人間現実だと思います。ですから精神分析は、その現実的なセラピストの人間的限界を理論によって補うことなのだと私は思っています。」(本文より)

この本は、精神分析療法についてあまり知らない方でも読める、初学者向けの本だと思います。上記のように、来談者中心療法など他の心理療法に対して、少し批判的な意見も書かれたあったりもしますが、やはり、精神分析的な側面からの人間の心に対する理解の仕方は、クライエントの心理状態の理解が困難な時(受容できない時)には、多少なりとも役立つような気がします。
精神分析の専門家でもある著者の経験的なものも含まれているとも思われるので、ある一つの心理療法の理論的な見方や考え方として受け止めつつ、読まれてみるのもいいのではないかと思います。

精神分析的心理療法の実践―クライエントに出会う前に 精神分析的心理療法の実践―クライエントに出会う前に
馬場 礼子

岩崎学術出版社 1999-09
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