鑢幹八郎監修「精神分析的心理療法の手引き」誠信書房、1998、¥3,360
この本は、一応、精神分析療法の中堅実践家向けと書かれています。私自身、精神分析等(分析心理学を含む)は、そこまで詳しく知らないですし、理論的にも疑問が残っている部分があります。しかし、精神分析は多くの個人療法や集団療法の源泉でもあり、精神分析という理論があったために、それに対抗してさらに発展できた心理療法(行動療法から認知行動療法へ)もあったのではないかと思います。精神分析の基本的な理論の中でもパーソナリティ論、たとえばエス・エゴ・スーパーエゴなど、意識・前意識・無意識などの心理的構造や、各種の防衛規制(適応機制)や、心理発達的見地(これについては、エリクソンが発達課題としてさらに発展させている)などに、少しでも触れていれば、カウンセリングの中ででも十分に役立つものと思います。
精神分析的心理療法の手引き | |
一丸 藤太郎 山本 力 名島 潤慈
誠信書房 1998-05 by G-Tools |