夜中に犬に起こった奇妙な事件 新装版 | |
マーク・ハッドン 小尾 芙佐
早川書房 2007-02 by G-Tools |
この小説の主人公は,クリストファー・ブーン,15歳の自閉症の男の子で,またこの小説そのものを書いているという設定になっています。このクリストファーが夜中に犬が庭仕事用の熊手で殺されているのを発見し,そのことを探偵していく物語を書くというストーリーとなっています。
このクリストファーが自分の性格,特徴を一人称で語っていきますが,その語りの中に,自閉症の特徴が非常に良く出ていています。色へのこだわり(黄色と茶色が嫌いで,その色のものを着ないし食べもしない),飛び抜けている記憶力(フォトグラフィック・メモリ),高い計算能力,特定のものへのこだわりなどです。
一人称で語られているため,自閉症の考え,気持ちなどがよくわかります。最近読んだ中では一番のおすすめ本です。また,原作でも文章が簡単なので,英語を勉強したい人にもお勧めします。