わたしのおすすめ本 117

わたしのおすすめ本 by 竹之内麗子

アクス・ヒューマン・ケア研修相談センター編 「アダルト・チャイルドが自分と向き合う本」 1575円

アダルト・チャイルド(AC)とは、もともとアメリカで、「アルコール依存症の親のもとで育った人(アダルト・チャイルド・オブ・アルコホリクス)をさした言葉だったようです。ACという言葉のさす範囲は、今ではアルコールに限らず、機能不全家族や感情を抑圧された家族のもとで育った人たちを広くさすようになっています。

表紙には、スカーフを巻かれた象の絵が描いてあって、その裏には、「象の足に巻かれたスカーフは、幼い頃の鎖と杭の記憶です。象は、一生サーカスから逃げません。今、あなたの足に鎖はない。自分の足で歩き出せるのです。」と、ありました。

両親の間に険悪な空気が漂っているのに、お互い話し合おうとしないので、子どもも問題に直面することをさけるようになる。迷子になって、母親と会えたとき、わーっと泣いて抱きつこうとすると、「泣いていないで、さっさと歩きなさい!」と言われ、癒されない心を奥にしまいこむ。高い理想を示し、強要するので、子どもは、期待に添えない自分を責める。親から身体的・性的・感情的な虐待を受けたとき、子どもは、このような衝撃を扱いきれないので、恐怖、不安などの感情を凍結させ、記憶の底に封印する。

この本では、大人になって今、子どもの自分を思い出し、ほしがっていた言葉を与え、自分を肯定する作業を勧めています。親への怒りがくすぶっていたら、安全な場で、援助者に親の役をしてもらい、自分の気持ちをぶつけて、援助者とともに未完の課題を整理していくことをアドバイスしています。

 

アダルト・チャイルドが自分と向きあう本
アダルト・チャイルドが自分と向きあう本 アスク・ヒューマン・ケア研修相談室

アスク・ヒューマン・ケア 1997-03-01
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