わたしのおすすめ本 99

わたしのおすすめ本 by 国重浩一

司馬遼太郎著『明治』という国家〈上〉〈下〉(NHKブックス)』 日本放送出版協会 1994年 上下巻とも914円

政治にある程度の関心を持てるようになったのは大学時代の頃です。関心と言っても、積極的に政治に関することに関わることはありませんでした。ただ、政治に関するニュースが目に入ったという程度のものです。その頃(四半世紀以上も前になりますね)から、日本の政治というものに対して、一種の絶望感を持って来ました。政治家の優先順位において、私たち市民よりももっと高いところにあるものが、他にあるに違いないという感覚を持つようになりました。

そして、長い間見てきて、たどり着いた結論は、政治がなにか重要なことをしなくても、物事はそれなりに進んでいくのだということです。これには、相当なげやりな気持ちが含まれています。例えば、原発やダム開発のような事業が問題になるたびに、よくここまでやってしまったという気持ちが出てきます。

そのような中で、司馬遼太郎の描く幕末から明治にかけて、国家の建設に携わった人々の精神を知ると、気持が熱くなります。どのような立場でも、人は純粋さを維持することができるのだと知ることができます。そしてなにより、現実感を維持することができていました。その一番の底辺にあるのは、お金の計算ができていたということだと思います。明治時代の日本は、幕末から国家建設にかけて作った借金をすべて返しています。借金まみれの日本は、今後どのようになっていくのだろうかと、時に考えたりします。なにより、世界中の国々が、借金まみれ状態になっているのは、どういうことなのだろうか、今後どのようになっていくのだろうかと、考えたりしてみたりします。

明治時代の、そのような精神を自分の中に取り入れたいと考えているところです。私は、司馬遼太郎の描く世界から大きな影響を受けてきたと、改めて実感できた本でした。

 

「明治」という国家〈上〉 (NHKブックス)
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