私とカウンセリング 85


私とカウンセリング by 下舞久恵

長い学生生活が終わり、今年の春からやっと社会人として働き始めました。仕事をする中で、「これまでのことは、色んな形で繋がっているんだな」としみじみ思います。「回り道になった」と思っていたことが、今になってみると「やっていて良かった」と思えたり。そのときにわからなかったことが、後になって初めてわかったり。「どんなことも、無駄にはならないんだな」と実感しています。

高校生の時から心理学には関心がありましたが、やはり私にとって一番大きかったのは、大学・大学院での6年間でした。大学では、ボランティア活動を通して発達障害の子どもたちと触れ合い、卒業研究で不登校の子と毎週会う中で、毎日悩んだり考えていた気がします。大学院では、基本となる心理学や病理学等の知識を学び、自分で研究をデザインして修士論文を書き上げ、プレイセラピーを経験し、数え切れないほどのものを得ることが出来ました。それらは、今後の土台になっていくように思います。これからは、さらに勉強や経験を積み重ねて、その土台に自分らしい建物を建てていきたいです。

色んな人と触れ合う中で、思ってもみなかった考えに触れたり、自分独りではしない様なことに挑戦したりすることがあります。すると、それまで気づかなかったことに気づいたり、見えなかったものが見えてきたりと、視野が広がってきたように思います。先月の研究会では、事例研究や理論研究で様々な角度からのコメントがあり、心理検査漬けになっていたところへ、久しぶりにグループ検討の感覚が戻ってきました。また飲み会では、初めて乾杯の挨拶をさせていただき、緊張もしましたが、皆さんが声を掛けて下さり、とても嬉しく楽しい経験になりました。これから、研究会に参加しながら、たくさん勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いします。