私とカウンセリング by 佐藤明美
私は現在、鹿児島市内の保健所や保育園での発達相談、医療機関での医療相談、カウンセリング等の仕事をしています。
患者さんや利用者へ自己紹介をするときに、「相談員の佐藤です」と挨拶するようにしています。状況によっては「臨床心理士の~です」、「カウンセラーの~です」と自己紹介をすることもありますが、「相談員」という言葉を使った方が患者さんや利用者にとって分かりやすく、親しみやすいのだろうと思います。
「相談員」の仕事内容は主に3つに分類できます。①正確な情報提供:利用者が必要としている情報を正確に伝える、②心理的な支援:利用者の話を傾聴し、不安感や恐れ、孤立感などを受けとめ、その気持ちを整理しつつ、次の方向性を一緒に考える(いわゆるカウンセリング)、③紹介:利用者の益となる社会資源(専門機関やピアグループなど)を紹介し、丁寧に橋渡しをする。
一般的には、「援助する側」と「援助を受ける側」との間には、自ずと力関係が発生し、援助する側が情報や知識を持っているため優位になりがちです。極端な場合は、「管理」「指導」という対応になってしまいます。こういった力関係を意識的に弱め、利用者と対等の関係に近づく活動が「相談」だと思います。相談では、援助者(相談員)が関係をコントロールするのではなく、利用者が問題を解決する力を持っていることを信じ(時には辛抱して待つことも必要だと思いますが)、共に解決方法を模索し、そのプロセスの中で利用者が選択する決断を、自己決定として尊重します。そして、このようなやりとりを通じて、相談員は多くのことを利用者から学ぶことができます。
まだまだ相談員として半人前ですが、今後も、患者さんや利用者との出逢いを大切に、私自身も常に変化・成長し続けていきたいです。